山中歯科ブログ
(ブログ)マイクロスコープ導入に向けて1(ライカ編)
大泉学園北口徒歩3分の歯医者 山中歯科の山中大輔です。
新年の診療開始から3日経ち、お正月気分もどこかにいってしましました。
家族とともにゆっくり過ごした日々は久々だったので、寂しくもありますが、今年は一層信念を持って診療に取り組んでいきたいと思います!
さて、山中歯科では今年「歯科用マイクロスコープ」というものを導入しようかと考えております。「手術用顕微鏡」と呼べばわかりやすいかと思います。
脳外科や眼科などで、術野を強拡大した状態で手術を行う時に使用されるものになります(たまにテレビドラマか医科のドキュメントで映っています)。その手術用顕微鏡を歯科用に改変させたものを、歯科界では「マイクロスコープ」と呼んでいます。
以前は一般的には用いられていなかったマイクロスコープですが、ここ数年で導入する歯科医院も確実に増えているそうです。それだけ歯科の細かい作業には必要な道具ということですね。「CT」「マイクロスコープ」「CADCAM(セレックなど)」を「歯科の三種の神器」と呼ぶそうです。
現在検討中ですが、まずはいくつかある機種の「デモ機」をお借りする事にしました。
本日より2週間、「ライカ社製 ライカM320-D」という歯科用マイクロスコープをお借りしております!
マイクロスコープによる治療に関してはまたブログで報告していきたいと思います。
欧米に比較すると日本の歯科医療機器の進歩は遅いと言われていますが、それでも近年の医療機器の進歩は目覚ましいものがあります。
山中歯科でも、技術の向上と共に、医療機器のバージョンアップもしていきます!
山中歯科 山中大輔
((↓ここからはほぼ歯科医師の先生向けの内容になってしまいます。))
という事で、導入の前に、色々と歯科用マイクロスコープについて調べてみました。日本全国の他院の先生のブログなども拝見しながら、どこのメーカーも物が良いか、導入することでどう変わるか?などなど。。。
というのも、歯科用マイクロスコープにも、甲乙、様々な種類があり、国産軽自動車(中古)ぐらいの価格の機種から、海外高級車ぐらいの価格の機種まで幅広く存在します。最上位機種には手が届きませんが、いずれにせよ高額な機器ですので、慎重に選ぶ必要があります。
マイクロスコープを導入されている先生方の中には、機種選定に悩む先生も多く、今回その過程を記されていたブログが大変参考になりましたので、私自身、マイクロスコープ導入までの道のりをブログとして報告していきたいと思います(導入を決めたわけではありませんが)。
まず、本日よりデモ機をお借りしている「ライカ M320-D」。練馬地区の同窓の先輩でもあり、大学院と所属講座の先輩でもある壹岐先生(ときどき義歯の勉強会でご指導いただいている先生になります)が使用されている機種。壹岐先生は義歯とダイレクトボンディングの専門の先生ですが、先生の診療には無くてはならないものとしてご愛用されております。
マイクロスコープの上位機種としては、「カールツァイス OPMI pico with MORA Interface」が有名ですが、ライカはそれに次ぐ位置付けという感覚です。その少し下にグローバルマイクロスコープという感覚ですが、あくまでも価格的なイメージなので、使用してみない事にはわかりません。中位~下位機種には様々なものがありますが、デモ機貸出して頂ける会社も限られてるので、デンタルショーなどで調べてこようかと思います。
まず導入前の条件として、各歯科医院の設計や構造も重要になります。
当院は一階部分が駐車スペースで築25年。内装の床部分も少し振動に弱い感じがあるので、そもそもマイクロスコープでの診療が快適に出来るかという心配もあります。12時の位置からの診療となると自分の後ろを通過するスタッフのスペースなども考慮しなければいけません。
さらに、ユニット3台が並列の位置にあり、各ユニットには低めの仕切りがあります。
デモ機を借りる前、あわよくば2台ユニットの真ん中にマイクロスコ―プを設置できれば、両側のユニットで使用できるかな?と考えておりました。が、フロアスタンドタイプでは現実的には無理(かなり邪魔でアシストが立つスペースが無くなってしまいます)。
ちなみに、ライカのマイクロスコープはユニット間が2200~2300mm以下であれば、天吊り型でユニット間の真ん中に設置すれば、両側のユニット2台で使用可能とのことでした。他のメーカーにはまだ確認していませんが、ライカに比較するとアームが短いため不可能、もしくはエクステンションアームのオプションを付ければ可能かもしれないが安定性が低下するかもしれません(また後日報告します)。
今回モリタに借りた、「ライカ M320-D」の仕様について。
基本仕様は省きますが、オプションとして
・「マルチフォーカス対物レンズ」(これは絶対必要なオプションだと思います)
・「ダブルアイリス」(根管治療など奥行のある治療には必要だと、壹岐先生からアドバイスを頂いていたので付けてもらいました)
・「エルゴオプティーク」(カールツァイスでいう所のMORAインターフェイス)
です。
最後のエルゴオプティークが気になるところですが、接眼レンズが本体と離れるので少し姿勢が良くなる感じがしました。横から見る形はカールツァイスピコモラと似ています。(下の写真)
また本体を傾けても接眼レンズが傾かないというオプションですが、ツァイスのMORAインターフェイスと違って、「本体を傾けた後、接眼レンズを手動で水平に戻す」という作業が必要になります。これが臨床でどの程度役立つかは、使用してみないとわかりません。12時の位置以外で使用する場合がどの程度あるか、またその場合にどの程度役立つか、気になるポイントです。
ライカの後、2月にカールツァイスのデモ機を借りる予定ですので、比較してみようかと思います。
見え方としては(模型を見ただけですが)、非常に鮮明に見えました。最近のマイクロスコープではほとんどが「アポクロマートレンズ」というレンズを使用しているようで、上位~中位機種では見え方の差は少ないと言われています。
倍率に関しては以下のような感じでした。
模型での標準倍率と、最高倍率はこんな感じに。(左上1番の口蓋側の拡大です。)
注意点としては、実際の視野と抽出される画像とでは少しサイズが異なっていました。
上の標準倍率の場合、実際には左右1歯分ぐらい広く見えています。
ライカの場合、「オールインワン」というのが最大のポイントなので、マイクロ本体の内部にハイビジョンカメラが内蔵されており、非常にすっきりしたフォルムですので、アシストの邪魔になる部分が少ないと感じました。
一方、出力のカメラが数年バージョンアップしていないので、他社のオプション(最新のカメラを外付けで設置する)と比較すると出力に関しては弱いかもしれません(実際に今後撮影してみたいと思います)。
(★追記・・・翌日担当の方にお聞きしたところ、2015年に内蔵カメラのバージョンアップが行われたとのことで、静止画・動画共にフルHDになったとのことでした。)
尚、チェアサイドに置くモニターですが、鮮明に映るものとして「HDMI入力のあるソニー製のテレビ」がお勧めだそうです。赤みが鮮明に映るとのことで、これはモニターの解像度とかでなはく、ライカとの相性(?)が良いとのことでした。
明日は、モリタのマイクロ担当の方が来てくれるそうなので、色々と聞いてみようかと思います。
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