山中歯科ブログ
(治療例)矯正治療前のお子様の親知らず抜歯について
大泉学園 北口徒歩3分の歯医者 山中歯科の山中大輔です。
学生さんは夏休みに入り、大いにその時間を満喫していると思います。
そんな長期休みですが、この時期にお問い合わせが多くなるのが、「矯正前・矯正治療中の親知らずの抜歯(10~14歳ぐらいのお子さん)」です。
以下に記載している文章は、以前にこのHPで紹介した時のものです。
最近は「よしかわ矯正歯科」さんからの依頼以外にも、遠方からお越しくださる患者さんもいらっしゃいますので、一度下記の説明と注意事項をお読みいただければと思います。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓
山中歯科では、当院から1分ほどの場所にある「よしかわ矯正歯科」と地域連携をとっており、歯列矯正治療の依頼・相談をさせて頂いたり、矯正前の処置依頼を受けたりすることがあります。
依頼の中でも特に多いものとして、「親知らずの歯胚抜歯(ジャームエクトミー)」があります。(年間20~30症例)
大人の親知らずではなく、子供の親知らずの抜歯になります。
通常、10才にならないぐらいの年齢になると、顎の骨の中で親知らずとなる歯の元(歯胚)が作られていきます。(下の写真の赤い丸で囲った中に歯の頭だけが映っています)
大人になるにつれ、歯も成長しますので、そのままにしておくと成人してから、手前の歯を押したり周囲の組織に影響を与え、痛みや腫れが生じる事がよくあります。
しかし、親知らずの問題は、大人だけのものではありません。
親知らずは顎の骨の成長にも影響を与えますので、反対咬合(下の顎が前に突出しているケース)などではさらに悪化させる原因にもなります。
現状気にならない程度でも、うまく生えてこない親知らずの影響で歯列不正(歯の並びが凸凹)になる場合も多く認められます。そのような事態を防ぐために子供のうちに親知らずを抜歯することをジャームエクトミーといいます。
術前に確認する3次元画像
実際に取り出した親知らずの歯胚
上のように分割して取り出していきます
今の時期(学生さんの長期休み)は、患者さんからの問い合わせも多く、説明を聞くために来院される方も多くいらっしゃいます。
<<初診時に保護者の方と本人に説明する事はいつも同じですが、以下にその内容を記載しますので、参考になさってください。>>
・親知らずがどの辺に埋まっているか、また下あごの中を通っている神経との位置関係を調べるために、事前にもしくは抜歯当日に歯科用CTの撮影(当院で行います)をして頂いております。
・埋まっている歯を取り出すために骨の一部を触りますので、術後2日間ぐらいは「おたふく風邪」ぐらい腫れてしまいます。これは骨を触った場合の生体の反応なので仕方の無いことですが、腫れている期間は運動等は避けてもらった方が良いので、安静にできる日を選んでもらっています。(みなさんこの日程調整が一番大変なようです。部活動だったり試験であったり。)
・抜歯をされる本人は、術中痛みはありませんが、30分近くお口を開けている時間が続くので(休みながらやりますが)、顎が疲れてしまう事が多く認められます。
・術後は痛みどめ(ロキソニン)と抗生物質(セフェム系)をお渡しすることがほとんどですが、お薬のアレルギーなどがあれば事前に伝えて頂きます。
・抜歯を行う場合は、1回目に(CT撮影と)歯胚抜歯。2~3日以内に消毒。1週間後に抜糸。をセットに考えてもらっていますので、左右どちらかの抜歯につき3回来ていただく事になります。(2回目の消毒については省略することもありますが、大きく腫れていたりする場合は心配だと思うので、初めて抜歯される際には消毒に来ていただいた方が良いかと思います。)
・費用については残念ながら健康保険では扱えない治療ですので、自費になってしまいます。当院では、CT撮影(5,000円+税。)と歯胚抜歯(17,000円+税)になります。消毒時や抜糸時は費用はかかりません。
以上が、いつも私が患者さんに説明する内容になります。
歯胚抜歯というのはあまり耳にしないと思いますが、一般歯科でも「大人の埋まっている親知らず」を抜歯できる先生であれば可能だと思います。もしくは、「口腔外科出身の先生(私は違うのですが)」か「歯胚抜歯の経験がある先生」を選べば問題ないかと思います。大学等の口腔外科でも抜歯可能です。
また、来院時には矯正医の先生に依頼状を製作していただいた方が良いと思います。
春休み・夏休み・冬休みに多い歯胚抜歯ですが、予約の関係や術後の腫脹を考慮すると、前もって(2週間ぐらい前に)予定を組んで頂いたほうが良いと考えております。また、初診時にはわたくしの方から保護者の方へ説明をするようにしています。
何かわからない事があればお気軽にご連絡下さい。
山中歯科 山中大輔