山中歯科ブログ
(歯科ブログ)CTを応用した口腔外科処置
練馬区大泉学園の歯科・歯医者 山中歯科の山中大輔です。
当院では、通常の歯科治療の中でも「口腔外科」と呼ばれる分野の治療を行う事が、比較的多いと考えています。
通常の「親知らずの抜歯」はもちろんですが、矯正医から紹介される「子供の親知らずの抜歯(歯胚抜歯)(詳しくは→コチラ)」なども多く施術しています。
また、「歯根のう胞」と呼ばれる、歯の根の先にできた膿の塊を切除する手術や、「骨隆起」と呼ばれる骨のでっぱりを除去する手術も行います。
「インプラント」も当然、口腔外科の手術の一つです。
基本的には、一般歯科で使用する「局所麻酔」で対応できる「歯科小手術」は全般的に施術しておりますが、全身麻酔や鎮静が必要な比較的大きな手術は、大学病院に紹介しています。
上記のような口腔外科処置を行う場合、有効な診断装置が「3次元CT」になります。
通常のレントゲンでは曖昧であった部分がはっきりしますので、術前の診査診断にかかせないものになっています。
近年では、口腔インプラント学会の指針においても、手術の術前にはCTを撮影することが必要事項だと言われていますが、体の内部を治療することですから、口腔外科治療以外の歯科治療でも有用だと思います。
下のCT写真は、先日行った「過剰埋伏歯の抜歯」の術前のものになります。
通常、歯が無い場所に、余計な歯が埋まっています。矯正治療を行う患者さんであったので、抜歯する必要性がありました。
通常のレントゲンでも、おおよその位置は把握できますが、CTであればピンポイントで埋伏している場所がわかります。
また、この過剰歯の隣に、約2mmほどの小さな埋伏過剰歯の存在もCTで明らかになりました。
抜去した埋伏過剰歯
術後腫れもなく、疼痛も少なかったとのことで、やはり手術部位を特定できる事が良かったのだと感じます。
下のケースでは、親知らずの抜歯中におきた偶発症の事例です。
親知らずを分割して抜歯している最中に、舌側(ベロ側)に親知らずの一部が落ちてしまうことがあります。
この部分の組織は非常に柔らかいので、そのままにしておけば、のどの奥に進んでしまい、大きな手術をしなければ取れない位置に移動してしまうため、その日のうちに除去する必要性がありました。
また、通法であれば、舌側に大きな切開をして取り出しますが、マイクロスコープを導入していたため、抜歯をした穴から、少しずつ周囲骨を粉砕して取り出すことができました。
術後は一時的な嚥下痛がありましたが、その後消失し周囲の炎症も無くなりました。
こういった例は特殊ですが、CTやマイクロスコープがなければ、確認・治療が行えなかったケースです。
治療の技術もさることながら、使用する器具や装置も重要になってきます。
日進月歩の現場ですが、山中歯科での治療の質を上げるよう、日々診療しています。
山中歯科 山中大輔