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治療例(精密入れ歯)

治療例:フレンジテクニック

上下無歯顎の患者さんでしたが、使用中の義歯の具合が悪くなってきたため、再製作を希望し来院されました。顎の骨は大きく吸収し、顎堤(義歯が乗っかる部分)は小さく、難易度の高い欠損補綴が要求されました。

  • 初診時口腔内初診時口腔内
  • 研究用模型研究用模型

今まで使用していた義歯の不適合箇所を修正しながら、お口の動きを観察し、粘膜や筋肉の張りを調べたところ、筋肉と舌による封鎖は良好であったため、義歯と粘膜を上手に密着させる事ができれば、義歯による機能回復も十分可能だと考えました。

  • フレンジテクニックによる印象採得フレンジテクニックによる印象採得

そこで、総義歯(総入れ歯)製作方法の一つである、「フレンジテクニック」を応用して、お口の中の筋肉や舌の動きを印象しました。通常、お口を大きく開けながら上下別々に印象する事が多い印象採得ですが、フレンジテクニックを応用する場合は、お口を動かしてもらいながら、生理的な運動によってできる形を印象していきます。

  • 完成義歯完成義歯
  • 上:完成義歯/下:旧義歯
  • 上:完成義歯/下:旧義歯

上:完成義歯/下:旧義歯

フレンジテクニックによって製作した義歯になります。今まで使用していた義歯と比較すると、随分大きく見えますが、咀嚼や嚥下を邪魔しないように製作すれば、装着していても痛みは無く、すぐになじんでいきます。

  • 装着後1年 上顎装着後1年 上顎
  • 装着後1年 下顎装着後1年 下顎

義歯製作後1年が経過しましたが、大きく口を開けても落ちてくることはありません。
また、写真を記録するときに頬を引っ張っても外れる事はありませんでした。

  • 術前術前
  • 術直後術直後
  • 術後1年術後1年

上の写真は、「TスキャンⅢ」というシステムを使用して、上下義歯を咬み合わせた時の状態を検査した時の写真です。術前は、ほぼ右側だけで咀嚼していた習慣がありましたが、術直後には両側で咬めるようになっています。術後1年経過では、少し右側の方が強く当たっていますが、顎の動きの軌跡(真ん中の赤い線)を見ると、上手に左右に動かせるようになっています。

精密な義歯製作をする事で、時間が経過しても、長期に安定した状態を保っていく事が可能になると考えています。

治療例:治療用義歯を用いたダイナミック印象

「今までに多くの義歯を製作してきたものの、下の入れ歯がどうしても痛いし咬めない」というし主訴で来院された患者さんです。下顎の顎堤(入れ歯を乗せる部分)はほぼ平坦な状態であり、歯槽骨の吸収も著しく、インプラント治療もできないケースでした。かなり難易度の高い補綴治療になります。

  • 初診時口腔内写真初診時口腔内写真

上下の義歯を新製する事になりましたが、下顎の義歯に関しては一度で完全なものを製作するのは困難でしたので、まず「治療用義歯」を製作し、その義歯を用いて「ダイナミック印象」する事にしました。治療用義歯といっても、通常の義歯製作と変わらないので、顎位が不安定な場合に行う「ゴシックアーチ」等の検査を行い、義歯を製作していきます。

  • ゴシックアーチ検査ゴシックアーチ検査
  • 口腔内試適口腔内試適
  • 完成義歯完成義歯
  • 下顎 治療用義歯下顎 治療用義歯

完成した義歯のうち、下顎の義歯には透明な部分があります。この周囲に長時間流動性が持続する印象材を接着させ、患者さんの日常生活における機能時の粘膜の形を印象してきます(「ダイナミック印象」)。

  • 治療用義歯 使用中治療用義歯 使用中

ダイナミック印象は、1回で行うのではなく、複数回調整を行う印象法になります。そのため治療用義歯を装着している期間も、1ヶ月~3か月と、患者さんによっては長期間使用してもらいます。

治療用義歯によって、咀嚼や嚥下に問題なく、「よく噛めるし痛くない」状態になった時点で、最終精密義歯の製作を行います。(治療用義歯の形をコピーして製作するので、治療用義歯を1日お預かりします。)製作工程は通常の精密義歯とほぼ同様ですので、約4回の来院を経て完成します。

  • 上:最終精密義歯・下:治療用義歯上:最終精密義歯・下:治療用義歯

注意:治療用義歯に使用している柔らかい材料は時間の経過とともに劣化するため、年単位での使用はできません。

  • 完成後、開口時完成後、開口時

歯槽骨の吸収が著しく、義歯製作も困難な状態でしたが、治療用義歯を使用したダイナミック印象によって、機能時の粘膜の形態を印象し、噛んでも痛みなく、大きく口を開けても外れない義歯を製作することが可能になりました。

下の写真は、最も単純な印象(健康保険で決められている義歯の印象)と、治療用義歯を使用したダイナミック印象とを、模型にして比較した写真です。右のダイナミック印象で得られた模型の方が、より立体的に深い部分まで精密に形作られているのがわかります。

  • 研究用模型(単純な印象)研究用模型(単純な印象)研究用模型(単純な印象)
  • 治療用義歯のダイナミック印象治療用義歯のダイナミック印象治療用義歯のダイナミック印象

治療例:オルタードキャスト法

精密な部分床義歯(部分入れ歯)を製作する際に行う、「オルタードキャストテクニック」について紹介します。この方法は、「痛くない部分入れ歯」を作る方法の一つです。
適応症としては「遊離端義歯」、すなわち、前の方の歯は残っており一番奥の方の歯を失ってしまった方へ装着する部分入れ歯、を製作する時に用いる事が出来るテクニックです。
また、「金属床義歯」、すなわち、金属のフレームを用いた剛性のある入れ歯、を作る方でなければうまくいきません。

細かな製作方法はいくつかありますが、下のケースでは通常の義歯と同じ回数で行えるオルタードキャストテクニックを応用しました。

①概形印象によりお口にあった個人トレーを作成
②個人トレー+コンパウンド+シリコーン印象材により精密な印象採得

  • 精密な部分床義歯(部分入れ歯)

③模型上で金属床義歯のメタルフレーム(下の写真ではチタンフレームを使用)と蝋堤を作製
口腔内で咬合採得をした後、咬合接触点のワックスを溶かし、即時重合レジンを流し込みます。
咬む場所を硬い材料で置き換えることで咬合力が義歯に加わった際に、義歯内面に接する粘膜を加圧印象するために行います。

  • チタンフレーム

その後、基礎床内面を一層削合(内面にシートワックスを置いてもらい、印象直前にはがします)し、特殊な印象材を使用して咬合圧印象(咬んだ状態の印象)します(印象採得に使用する材料は何種類かあります)。 人工歯排列を行った後にこの作業を行う場合もありますが、人工歯排列の時点で誤差が生じてしまっていると、この作業が余計に複雑になる事があるため、私は咬合採得時に行っています。

  • チタンフレーム

④この状態で技工士さんに模型改造を行ってもらい、人工歯排列をしてもらいます。
口腔内ではズレが無いかを確認するだけです。

  • 人工歯排列
  • 人工歯排列

⑤そして完成になります。
オルタードキャストテクニックで製作した精密義歯は、咬んだ状態の粘膜を印象して製作しているので、完成後の調整は少なくてすみます。

  • オルタードキャストテクニックで製作した精密義歯

オルタードキャストテクニックは非常に優れた製作方法です。上記の患者さんのように、下顎だけに義歯を装着する場合は最も適しており、痛くない最適な義歯が製作できます。

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